ナレーション: 2001年5月、ユネスコ世界無形文化遺産に登録された宗廟祭礼は、宗廟において行われる祭祀の儀式である。朝鮮時代の王室では、宗廟祭礼という儀式を通じて孝行を実践している様子を人々に見せ、民衆の模範となろうとした。また同時に、朝鮮王朝に対する自らの伝統性を民衆に示すきっかけにした。
このように、王室が行う厳かな国家儀礼の宗廟は、王が自ら行う祭祀だったので、最高の礼を尽くし、一つ一つの手続きは、最上の格式をもって行われた。
そしてこの儀式の時に演奏された音楽と舞踊は、宗廟祭礼楽という名称で呼ばれている。
王室の繁栄を祈願するための宗廟祭礼楽は、宗廟祭礼において欠かせない重要な部分であり、1462年に定型化されて以来、500年以上保存され、現在に至るまで毎年行われている。このような点から見て、世界に類を見ない長い伝統を持つ総合儀礼といえる。
宗廟祭礼楽は弦楽器の装飾的な旋律に、打楽器の様々なリズムが加わり、さらに歌が重なることにより、重厚さと華やかさを伝える。このような格調の高い音楽に舞が伴われ、朝鮮王室文化の敬虔さと荘厳さが存分に表れる。宗廟祭礼は最高の品格を備え、儒教の手続きによって行われる王室の儀礼であり、国家最高の祭礼で、約600年も続く世界無形文化遺産である。