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UNESCO 登録遺産

人類無形文化遺産

韓国の 人類無形文化遺産
男寺堂遊び (2009)
男寺堂遊び1

男寺堂牌は一ヶ所に定着せず、多くの場所を回りながら公演する集団である。京畿道安城市瑞雲面青龍寺付近は男寺堂牌の拠点として知られている。この集団は20世紀初めに中部地方をはじめとして中国の満州地方まで行って公演するほど活動範囲が広かった。また、地域伝承の各種風物、仮面遊び、歳時遊びに影響をあたえた。彼らは農•魚村を回り、庶民層を対象に公演し、一定の代価をもらい生活していた。主に寺を拠点とするが、公演をしながら寺のお守りを売り、収入の一部を寺に寄付して活動した。

男寺堂遊びは構成上役40-50人の男性で構成されている専門的な流浪芸人集団である。彼らはコッドゥソェ(代表者)、ゴルペンイソェ(公演の企画者)、トゥンソェ(各分野の責任者)、カヨル(演戯者)、ピリ(見習い)、ジョスンペ(元老)、幼い使い、ドンジムクン(担ぎ人夫)などで組織化されている。序列が厳しい徒弟式教育を受け、体系的に伝承されてきた。彼らが伝承する六つの演戯の具体的な内容は次の通りである。

男寺堂風物は京畿道と忠清道から伝承された風物をもとに伝承され、道で行われる道軍楽と遊びの場でそれぞれの技量を見せる風物遊びに細分化されている。トッペギは、何人かの人が仮面を被って登場し、劇的な展開をする仮面遊びを語る。仮面は13人が搭乗し、トッペギ(仮面遊び)はマダンシシ、オム仮面掴み、センニム掴み、モックジュン掴み(黒い袈裟をまとった僧づかみ)など四つの遊びで構成されている。オルム(綱渡り)はオルムサニ(綱をわたる人)の多様な綱を渡る技術と道化師のメホシ(漫才師)とのおもしろい対談で進行される。縄は高さが2.5mで、長さが9~10mある。男寺堂遊び保存会の権元泰は17の技芸を伝承している。トルミ(人形劇)は31種類に51体の人形を利用したもので、遊び舞台は地上から1m20cmほどの高さに黒い布で隠したドルミ幕の上で行われる。公演の特徴は舞台に登場する人形操り者の「デジャビ」と楽師として観客側に座っている「サンバジ」が漫才を交わしながら進める。公演の構成は全体、2場面(朴僉知場面、平安監事場面)7幕(朴僉知遊覧幕、ピジョリ幕、操り人形幕、イシミ幕、鷹狩り幕、興幕、寺を建てて壊す幕)で構成されている。

公演の特徴は舞台に登場する人形操り者の「デジャビ」と楽師として観客側に座っている「サンバジ」が漫才を交わしながら進める。公演の構成は全体、2場面(朴僉知場面、平安監事場面)7幕(朴僉知遊覧幕、ピジョリ幕、操り人形幕、イシミ幕、鷹狩り幕、興幕、寺を建てて壊す幕)で構成されている。

サルパンは地面で行なう技を指し、ボナは器具を利用して篩の枠を回す遊びである。棒は40cmほどだが、長いキセル、刀、糸巻きなどを利用したりし、お互い結合して回したりもする。男寺堂遊びは1964年に重要無形文化財第3号に指定され、現在名誉保持者一人、保持者一人、伝授教育助教三人、履修者45人など、多数の伝承者が活動している。

男寺堂遊び2

1)男寺堂遊びは風刺を通じた現実批判性を含んでいる。トッペギ(仮面遊び)とトルミ(人形劇)には腐敗した官吏と無能な両班に対する批判、家父長制下の男性の横暴さに対する批判、観念と虚偽を克服する自由な人生の追求などが表されている。これを通じて基層民衆らはこのような遊びを通じて心理的抑圧状態から脱け出した一種のカタルシスを感じるだろう。

2)男寺堂遊びが行われる空間は野外の空間ならどこでも可能である。一ヵ所の登退場路を除いて、円形の周りに見物客が座って公演を見る。よって、ノリパン(公演が行われる空間)は徹底した開かれた場になる。

3)男寺堂遊びは専門的な流浪集団で、各村に入るとまず村の祭堂で風物を叩きながら、安寧と豊かな生活を祈願する。そして、いろいろな技芸をみせながら現実的な生活に抑圧された民衆たちに、人生の楽しさを与え、歌や踊り、音楽、技芸などを通じて興と楽しさを吹き込む。

4)男寺堂遊びは優れた機能をもつ専門芸人集団である。彼らは各地を渡りながら多様な演戯をみせ、これを通じて基層集団の生活に楽しみを吹き込み、欠乏と抑圧の現実の中で積もる恨みを解消する機能を持つ。よって、不定的な現実の中で肯定的な生活の姿勢に転換させる機能を持つ。

このように男寺堂遊びは多様な演戯が結合された伝統芸術の総体性をもつ。音楽、舞踊、演劇、マイム、技芸などが有機的に結合されている。